「車の下取り」を検索する人が車買取業界で騙される理由

「車 下取」と検索してこの記事にたどり着いたアタナは、かわいそうですが車の下取り・買取業界に騙される可能性が極めて高い人になっています。
実際にGoogleの検索では、
「車 下取り」と検索する人が月に約3600人、
「車 下取り 相場」「車 下取り査定」と検索する人がそれぞれ月に約880人、
「車 下取り とは」と検索する人が月に約170人もいます。
なぜそれらのキーワードを検索することで、自分が騙される可能性が高くなってしまうのか…。
簡潔に言うと、下取りに関心のある方が車の下取りや買取りに関してあまりにも無知だからです。
車業界の人からすると「車 下取り」という検索キーワードはお客様を呼び寄せるためのキーワードであり、検索したページに書かれてあることを鵜呑みにしてしまうと、無知がゆえにお客様自身が騙されてしまうのです。
つまり、車の下取り・買取業者の業界からしたら絶好のカモなんです。
しかし、今の時点で無知であったとしても必要な知識を身につけていくことで、逆に車業界の人を圧倒することができます。
さまざまなサイトを見てみると「下取りは安い!」「一括査定サイトを利用するべき!」と、一括査定サイトに誘導するものばかりです。
一括査定サイトを見ていると「下取りはダメなのか?車を手放すときは買取りがいいのか!だから一括査定サイトを利用するべきなんだな!」と思い込んでしまい、一括査定サイトを利用するために個人情報や車両情報を登録する方が多くいらっしゃいます。
この行動が、のちのちに車業界の人から騙される道へと進んでいるのです。
でもよく考えてみてください。
あなたが本当に知りたいことは「下取りってどうなの?本当に高く売れる?大丈夫なの?」ということではないでしょうか?
今回そのようなあなたのために読んでいただきたい記事を書いているわけですが、今回の記事はあなたを騙すような一括査定サイトへ誘導するための記事ではありません。
実際に世の中には、自分の車の本来の価値とは程遠い金額で車を売却している方がたくさんいらっしゃるという現実があるからこそ、今回の記事を読んでいただきたいのです。
今回はあなたに車業界の実態の詳細を知ってもらうために、かなり詳しく記事を書いておりますので、自分が騙されないためにも、さまざまな知識をたくさんつけてください。
ほとんどの人が騙されている!下取りや買取りの業界とは??
あなたのお住まいから30分圏内に、車を買取りしてくれるところは何ヶ所くらいあるでしょうか?
車の買取りをしてくれる買取査定業者の立地条件としては、比較的広大な面積の土地があるところで、なおかつ多くの人に買取査定業者の存在を知ってもらうために、幹線道路沿いにあるのが一般的です。
ある地域の国道沿いには、次のような車を買取りしてくれる買取査定業者が集まっています。
・新車ディーラー(トヨタ・日産・ホンダ・マツダ・三菱・スバル・ダイハツ・スズキ…)
・大手車買取専門店(ガリバー、ビックモーター、ラビット、JAC…)
・中小車買取専門店(個人経営ショップ…)
・ガソリンスタンド
・車の整備工場
・オートバックス
・車の解体業者
・中古車の輸出業者
つまり日本のほとんどの地域では、お住まいから30分圏内に車を買取ってもらえる買取査定業者があるのです。
日本全国の買取査定業者(自動車販売店)の数は83,295件(2014年調査)あるのですが、日本全国すべてのコンビニの数は56,882件(2017年調査)と、国内ではコンビニより断然買取査定業者のほうが多いです。
店舗が車を販売ができるということは、ほぼ間違いなく買取りもできます。
つまり車を買取りしてくれる場所は、コンビニの数よりも圧倒的に多いのです。
業者でも無い限り「何回も車を売った経験がある」なんて人は、ほとんどいません。
車を売る場所なんてそうそう利用するようなものではないのにもかかわらず、車を買取してくれる場所は数えきれないほどあるのです。
ここで大きな疑問に思うことはありませんか?
車を買取りしてほしい人は人数的に少ないのに、車を買取りしてくれる場所は数えきれないほどある、それでも多くの買取査定業者は倒産することなく生き残っています。
理由はすぐに分かりますよね。
1台あたりの利益(粗利)がものすごくあるからなのです。
言い換えると、車を買取りしてもらった人は、その買取査定業者にかなりの利益をとられているということになります。
買取査定業者はお客様から車を買取りしたら、その車を整備してそのまま自分の店舗で売るのではなく、全国にある業者オークションに出品し販売することで利益を得ているのです。
この記事では、車の下取りや買取りでどのようにすれば、あなたが買取査定業者に多大な利益をとられることなく車を買取りしてもらえるかについて「ここまで知る必要がある?」と思われるほどまでに詳しく説明していますから、ぜひ熟読してください。
場合によっては数十万円単位で結果に差が出るときもあります。
車を売るということは、そのくらい大きな買い物をすることと同じなのです。
車を買取りしてもらうのに、買取りの知識なしで車を売ってしまうということは「いくらでもいいから自分の車を買取りしてくれ!」と言っているようなものですよ。
車の下取りとは?
あなたが車を売る場合に、買取査定業者に車を「下取り」か「買取り」してもらうことになります。
まず「下取り」と「買取り」の違いをお分かりでしょうか?
この言葉の違いは基本中の基本ですので、まずは言葉の意味をおさえましょう。
車の「下取り」とは、車を買い替える際に、車を購入する店に今の車を売却し、その売却されたお金を次の車の購入資金にあてることをいいます。
例えば、A店で100万円の車を購入する際に、今までに乗っていた車を20万円で「下取り」してもらうことで、次に購入する車が80万円で購入できるというしくみになります。
車の「買取り」とは、単純に自分の車を売却することをいいます。
100%というわけではありませんが、一般的に下取りよりも買取の方が高いといわれています。
下取りは、店側が簡単に下取り価格を教えてくれることが多いのですが、ほとんどの人はその下取り価格を買取査定業者にもっていくことが多いため、結果的に買取査定業者の買取りの方が高い値段をつける傾向があります。
しかしこの流れこそが「あなたが騙されるコース」といえます。
これについては、後ほど詳しく解説をしています。
車の下取りの相場を知る方法
基本的に下取りをしてもらう店により下取りの基準は異なります。
しかし、ディーラーの下取りにはよく使われる基準となる「イエローブック」という本があります。
イエローブックとはJAAI(日本中古自動車査定協会)が出版しており、B5版で毎月1日に発行されています。
年間購読料は8,750円(税込)で、基本的に業者向けの本になりますので、一般の個人でも購入が可能可能です。
ただし、イエローブックに書かれている下取り基準価格を鵜呑みにしてしまうと、大損してしまう可能性が高いです。
簡単に言いますと、ディーラーは下取りの際に比較的新しい車にはイエローブックを使います。
しかし使用年数5年以上の車であればイエローブックよりも安い独自の計算方式で査定するのですが、その理由は値段が落ちてくれないと、新車販売に大きく影響を及ぼすからなのです。
さらにそのイエローブックですら本来の市場価格より安い基準となっているのですが、その理由はイエローブックは輸出業者の存在を無視しているからです。
結果的に下取りは上記の二重の理由で本来の市場価格とは著しくずれた安い基準となってしまいます。
そもそも「下取りの相場」を気にしている時点で、買取査定業者に騙される危険信号が点灯しているとお伝えしておきましょう。
その理由については、この後に詳細を書いています。
車の下取りの査定基準
車の下取りの査定基準も、買取査定業者によって異なります。
ディーラーの下取りの場合、イエローブックの査定基準価格からキズ、ヘコミ、故障、走行距離などで減点(加点)し、下取り査定価格を決定する場合が多いです。
ここで抑えておいてほしいのは、ディーラーの下取り査定基準は「中古車市場の適正な相場ではなくディーラーにとっての適正な相場」という色が強いということです。
ディーラーにとっての適正な相場とは、「新車を売るためにディーラーにとって都合のよい下取り相場」とお考えください。
ディーラーにとって一度売ってしまった車の価値は経過年数と比例して、どんどん価値が下がるほうが都合がいいのです。
ディーラーが車の売却を考えている人に伝えたいのは「乗りつづれば乗り続けるほど車の価値は下がるので早い段階で新車に乗り換えましょう」ということです。
イエローブックの査定基準はそういったディーラーの理想的な価格下落を実現しており、なおかつ日本中古自動車査定協会という客観的な基準ですので、多くのディーラーが査定の基準としてこの基準を使っています。
車の下取りの概要はここまでです。
なぜならこれらをいくら詳しく書いても、あなたにとって有益な情報にはならないどころか、このままでは、より騙される方向に近づいてしまうからです。
下取り=騙されていると言われるのはなぜ?下取りの実態とは?
こうして下取りサービスが生まれた
中古車ビジネスが本格的に始まったのは、今から30年から40年ほど前です。
それまでは「車を売る」といえば、ディーラーに売るしか手段がありませんでした。
ディーラーは「新車を売りたいけれど古い車がいつまでも残っていると、なかなか新車に乗り換えてくれないから、面倒くさいけど下取りしないと仕方ない」というところから車の下取りを始めたのです。
ただ下取る(買取る)ということは、その車を処分する(売る)場所が必要になります。
このような経緯で業者のオークションが各地で誕生しました。
ちょうど同じ時期に、中古車を販売する店舗が各地で増え始めました。
しかしこの時期の中古車市場は、大きな問題を抱えていました。
30年前の中古車市場が抱えていた大きな問題点
当初は、業者オークションに出品されている中古車の台数は少ない状態でした。
おそらく相場も需要と供給の関係や車の状況次第で、市場が大きく変化していたのでしょう。
例えば、業者オークションで同様の車が60万円で落札されていたとします。
これを50万円で下取りして、いざ業者オークションに出品すると、たまたまそのときに需要がほとんどなく、30万円しかつかないということも頻繁にあったのです。
当然のことですが、ディーラーにしてみれば、下取りは新車を売るために仕方なくやっていることですから、いらないものを買取りした上に損をしていては、車を下取りしている意味がまったくありません。
業者オークションで売却できる予想よりもかなり安めに下取り価格を設定しておかないと、新車を売った利益が少なくなってしまう可能性が出てきてしまうのです。
業者オークションで50万円で売却できると予想したものでも、下取り金額は10~20万円ほどに設定するほどのゆとりが必要でしょう。
先ほどお伝えしたように、下取りに出す車は、下取りを依頼する人にとってもディーラーにとっても不要なものですので、高いお金を支払う必要なんてないのです。
ディーラーの下取りが始まった経緯については、ご理解いただけましたでしょうか。
ディーラーは、新車を購入しにきた人はこちら側(ディーラー)が中古車を求めているわけではないのに、お客様が勝手に車をもってくるとしか思っていなくて、ディーラーがリスクを負っているわけだから安く下取りしても問題はないだろうと強気に出てくるのです。
仮にディーラーが下取り車を欲しがっている姿をみると、お客様にも欲が出てくるでしょうし、ディーラーからすると本来下取り車を安く買取りすることができていたのに無駄に高く買取りすることになるため、ディーラーは下取り車を絶対にほしがりません。
ディーラーからすれば新車をたくさん売った分、その分下取り車も自動的に増えるため、ディーラーが積極的に「高値で下取り(買取り)します」と宣伝したところで、新車の販売台数が増えるわけではありませんからね。
新車の販売台数が増やすためには、実際に新車を売らなければ数字はのびません。
例えばこれまで相場20万円で下取りしていた車を、50万円で下取りするとします。
もちろん下取り金額をあげた分、ディーラーの利益は減るわけですが、仮に下取り金額をあげたからといって「これまでより高く下取りしてくれるのか!よしじゃあ新車を買おう!」となりますか?
実際、ほとんどの方は自分の車の相場を下取りの見積りで初めて知ることになるため、ディーラーが下取り金額をあげたか下げたかなんてことはお客様からすると分かるわけありません。
このような理由があるからこそ、本当はディーラーにとって下取りはプラスになるのですが、自ら積極的にはやらないのです。
ディーラーは下取りでお客様を騙したり悪いことをしているわけではありませんが、結果として本来の価値とはかけ離れた低い金額で下取りをし、不当といえる利益をあげてしまうことがほとんどです。
またそのことで誰かがディーラーのことを責めたりすることもありませんので、昔も今も下取りの査定基準はかわらないのです。
中古車相場は安定、下取りは強気の態度の理由
中古車を扱う買取査定業者は、バブル期に入ると全盛期を迎えます。
買取査定業者が爆発的に増え始めたのがバブル期で、その結果2017年現在でもコンビニの数を上回るほどの件数にまでなりました。
現在のようにオークションで車を仕入れる業者が増えるということは、その分相場が安定するということです。
現在業者オークションで取引される車は、過去数回のオークションの結果から次の基本的な8点を調べることにより、よほどの素人ではない限りあなたが求めているピンポイントの相場を知ることが可能です。
①車名
②年式
③走行距離
④型式
⑤グレード
⑥キズ、ヘコミ
⑦修復歴の有無
⑧車体色
一般の人はオークション相場を見ることができないため、実際の相場を知ることは難しいですが、これがディーラーの人間であれば下取りした車がどれくらいで落札されるのかは簡単に予想ができます。
ディーラーはこれまでかなり低い金額で下取りしていた車で、莫大な利益をあげていました。
先ほどお伝えしたように、ディーラーは下取り金額をいくら高くしたところで、新車の販売台数にはほとんど影響はありません。
だからこそ、オークション相場ぎりぎりの金額で車を下取りする必要はどこにもないわけです。
またお客様から車を下取りしたあとに、お客様自身がディーラーの下取り金額が相場かどうかを調べる手段は何もありません。
すでに車が手元にないわけですからね…。
つまりディーラーにどれほど低い金額で車を下取りされたとしても、後になってお客様から「えらく安い値段で下取りしてくれたな!買取査定業者だったらもっと高い値段で買取ってくれるって言ってたぞ!」という文句の言われようもありません。
今もこれからもディーラーの下取りは、低い価格でしか下取りをしないという姿勢を崩さないでしょう。
ディーラーの下取り基準に隠された秘密はイエローブック!
これまでにディーラーの下取りの話しをしてきましたが、下取り車の査定をするのは営業マンの仕事です。
営業マンは、次の2点で利益が上がるように調整しています。
①新車の値引きはできないが、下取り車を査定することで、下取り金額をあげる
②お客様との交渉の中で、新車の値引きをする代わりに、下取り金額を高くとる
特に①のように、営業マンは新車を売るために下取り金額をあげようとしますが、もし営業マンがオークション相場を知っていると、下取り金額を無理にあげてでも新車を売ろうとしてしまいます。
営業マンがそのような行動をとらないようにするために、ディーラーでは営業マンには業者オークションの相場は見せないようにしています。
ただ、ディーラーごとに下取り金額の基準価格の表が作成されています。
ただその表しかない場合、営業マンが下取り金額の客観性に欠けることになり「トヨタは下取りが悪い」とか「ニッサンの下取りは安い」とか言われてしまいます。
そのため多くのディーラーは日本中古自動車査定協会が作成しているイエローブック(http://www.jaai.com/tokyo/guidebook/)という本の査定基準を採用しています。
イエローブックの査定基準は適正といえば適正ですが、オークション相場に基づいて算出された査定基準ではありません。
どちらかというとイエローブックの査定基準は、全体的にオークション相場より低い価格が記載されています。
イエローブックはディーラーの下取りの営業マンを対象に作られていると推測されます。
なぜなら「この本通りの査定基準で査定して業者オークションに出品したら損した」では困るため、全体的に低い金額で設定されているのです。
ただイエローブックの問題点は、新車に近ければある程度正確なのですが、古い車であるほど実際の相場とはほど遠く低い金額になっている場合が多いです。
簡単に言いますと、ディーラーは、車は1年経過するごとに新車時の1/10ずつ価値が減っていくという計算方式を使います。
この式に基いて計算すると、どんな車でも5年目で新車時の価格の半分になり、10年たてば価格が0円になります。
だからディーラーの下取り査定は低い値段しかつかないのです。
車の下取り価格が安いなら買取査定業者に高く売ったほうが良いのか?
車の買取査定業者について
下取り査定で高い値段がつかないのなら、やはり買取査定業者(中古車買取店)に買取りしてもらったほうがいいと思われる方が多いでしょう。
では実際のところ、買取査定業者で買取りしてもらうのはどうなのでしょうか?
その真実をより深く知っていただくためにも、買取査定業者がどのように生まれて、どのように成長してきたのかをみていきましょう。
買取査定業者は中古車相場が不安定な30~40年ほど前は、中古車相場が不安定だったこともあり、街なかではほとんどみられませんでした。
しかしバブル期になると、中古車業界が盛り上がってきて業者オークションの相場が安定しだしてくると、それまでにディーラーがイヤイヤ下取りしていた車で利益を得てやろうという人が「中古車の買取り」を始めたところから、中古車の買取りのサービスが誕生したのです。
とはいっても単に「車を買取ります」だけでは車を買取りさせてくれるお客様はきてくれません。
買取りしてもらうことで、何かメリットがなければお客様は車をディーラーの下取りに出してしまいます。
かといって、ディーラーよりもあまりにも高く買取りをしていては商売になりません。
例えば業者オークションで60万円の車があるとします。
その車をディーラーは20万円で下取りをすると言いました。
この場合、あなたが買取査定業者ならこの車をいくらで買取りするのでしょうか?
30万円ですか?それとも40万円ですか?
そんな高い値段で買取りする必要はまったくないです。
お客様は車を下取りに出すくらいですから、その車をどうにかして手放したいと思っているはずです。
例え買取りしてくれる値段が安かったとしても、買取りしてもらったほうがお客様としては助かります。
つまり先ほどの例ですとディーラーの下取りが20万円でしたら、せいぜい22~23万円で買取りするだけでもお客様は喜んで車の買取りを依頼してくるでしょう。
この買取査定業者の行動はディーラーからすると、下取りする車を取られたと少なからず思うでしょうけど、あくまでもディーラーは新車を売って販売台数をのばすことが本分ですから、あまり買取査定業者のことは意識していないといえます。
逆にそれなりに車を下取りするというのはリスクがある仕事でもありますから、買取査定業者がやってくれるならそれはそれでありがたいことでもあります。
だから買取査定業者が求めている中古車をディーラーが奪うこともないため、買取査定業者は自分たちの利益をとられるということもなかったのです。
バブル期の買取査定業者は、笑いが止まらないほど儲かっていたというのも事実なんです。
その後、大手の買取りフランチャイズが誕生し、現在でも新規の買取フランチャイズが日々生まれているのです。
この部分、疑問に感じることはありませんか??
商売をしていく中で、大手の業者がいくつも立ち上がると、価格競争が激化して、競争に負けた業者はどんどんつぶれていきますよね?
その結果、小さな業者はどんどんなくなり、大手の業者が数社のみ生き残る「寡占」の状態が生まれるのが一般的です。
しかし買取査定業者は誰しもが知る大手の買取査定業者が数えきれないほどありますし、個人経営されているような小規模な買取査定業者もたくさん生き残っています。
ということはすでに車業界全体としては、完全に飽和状態のはずです。
これだけ買取査定業者同士の競合があるのなら、価格競争は絶対に避けられませんし、さらに最近ではそこに一括査定サイトのような買取査定業者とお客様の間に入って仲介手数料を取るような業者まであります。
それでもなぜ多くの買取査定業者が生き残っているのか?
実はこの奇跡的状況を生み出している要因は、次のが2つあります。
ディーラーの下取り金額からの恩恵が全く無い
1つめにいえることは、先ほどお伝えしたようにディーラーの下取り金額が圧倒的に安いことです。
次の車に乗りかえるとなったときに、ほとんどの人はディーラーに下取りの見積りを依頼し、安すぎる下取り金額を目の当たりにします。
しかしその安すぎる見積りが「高い」のか「安い」のかは、お客様には分かりません。
なぜなら、ほとんどのお客様は下取りの相場を知らないからです。
つまりお客様にとってディーラーで提示された下取りの見積りが、車を買取りしてもらうための「基準」になるわけです。
新車を購入する際に車を下取りに出すと思いますが、ディーラーから下取りの見積りを出してもらったあとに、わざわざ他の買取査定業者に買取りの見積りを依頼する人はほとんどいないです。
もし仮にディーラーの下取り金額が20万円、買取査定業者の買取金額が22万円だとすると、お客様は間違いなく買取査定業者に22万円で買取りしてもらうでしょう。
つまりディーラーが下取りを頑張っていないため、買取査定業者がディーラーの下取り金額より1万円でも高く買取りするとなればお客様は車を売ってくれるのです。
その買取金額こそ中古車相場よりかなり低い価格ですので、買取査定業者は安く車を買取りして、その車を高く業者オークションで売るのです。
そう考えると、買取査定業者が生き残る理由は十分に理解できます。
車だからこそ見えない「値段」
ものを販売するときは当然のことですが「この商品は〇〇円ですよ」と価格を表示しなければいけません。
例えば近所にスーパーが2軒あったとして、ある店では大根が100円、もう1つの店では大根が150円だとします。
大根の大きさ・鮮度・等級がまったく同じものであれば、100円の大根を買うのが一般的です。
このように、商品の状態がまったく同じものであれば簡単に値段の安いものを選びますが、車の商売においては「まったく同じ状態の車」は存在しないため、お客様からすると他の車と比較する基準がないのです。
車の場合、車種、年式、走行距離、型式、グレード、キズ、ヘコミ、修復歴の有無、車体色などの状態が同じ車があるなんてあり得ないことです。
いくつかの同じ条件があてはまっている車があったとしても、必ず1台1台それぞれに違いがありますから、中古車査定士は時間をかけて丁寧に車を見ながら査定金額を算出するのです。
このように買取査定業者側はかなりの労力を費やして中古車の査定金額を算出するため、買取査定業者は「無料査定見積します!」とはいいながら他の買取査定業者と買取価格を比較されては困りますので、
査定依頼にやってきたお客様を逃さないよう、その場での売買契約を迫ってきます。
買取金額だけをお客様に伝えてそのまま帰らせてくれる買取査定業者は、まずいませんね。
他の買取査定業者にお客様が回らないようにしているからこそ、世の中に8万件を超える買取査定業者があっても過度な価格競争におちいることなく、お互いが共存できるのです。
バブル期のように大儲けしている買取査定業者こそないものの、買取査定業者が生き残ることができている理由をお分かりいただけたでしょうか。
買取査定業者は1台あたりどれくらいの利益をとっているのか??
シュミレーションの設定
車を買取りしてもらう人も1度は気にしたことがあると思いますが、買取査定業者は車を1台売る度にどれくらいの利益があるのでしょうか?
ここで大手買取査定業者の1台あたりの買取りに対する利益を、シュミレーションしていきます。
理由説明もなくいきなり「○○万円の利益を得ています」といっても信用性がないと思いますので、ここではどんぶり勘定になりますが、詳しく計算しながらシュミレーションしていきます。
以下を一例として用います。
大手フランチャイズ買取査定業者で、都会の幹線道路沿いに立地している店舗、正社員2名(店舗オーナー1名、従業員1名)、アルバイト・パート2名と仮定します。
ひと月あたりの必要経費予想
次の表をみてください。
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 主要経費項目 | ひと月の予想経費 |
| フランチャイズ加盟料 | 100万円(最低ライン) |
| 家賃(テナント費用) | 100万円(最低ライン) |
| 広告宣伝費 | 30万円 |
| 人件費 | 100万円 |
| その他諸経費(陸送費用・HP業者・水道光熱費・その他) | 20万円 |
| 合計 | 350万円 |
その他にも、事業ローンの返済などがあることも考えられます。
事業ローンが例えば3000万円で、それを10年でへんさいする計画だとすれば、利子を入れて月30万円の返済が加わってきます。
事業ローンを経費とみるべきではないかもしれませんが、事業ローンを返済しなければ倒産することになりますので、事業ローンの返済分も利益で稼がなければいけません。
大手買取査定業者がひと月に買取りできる台数
車業界では中古車経営の勉強会があるのですが、そのときに買取査定業者の経営者が述べていた数字ですが、国道沿いの大手買取査定業者で、ひと月の買取台数が50~60台です。
そこまでの買取台数がない買取査定業者の買取台数を含めて平均値を出すと、ひと月の買取台数は30~40台になります。
車1台あたりの粗利の設定方法
例えば必要経費が500万円で、ひと月の買取台数が35台としましょう。
最低限店舗を維持していく費用は350万円÷35台=10万円が必要ということになります。
ただこれだけでは、先ほどお伝えした毎月の事業ローンの30万円が返済できませんので、最低でも1台あたり10万円以上の利益をあげなければ倒産してしまいます。
ここでのシュミレーションは、かなり安めの金額で計算しています。
仮にひと月の経費が500万円であれば、500万円÷35台=14万円と、1台あたりの最低必要利益も増える計算になります。
買取査定業者の売却先はオークション
街なか大手買取査定業者をみると、買取りした車を店頭に並べて販売している光景が見られますが、
並べただけの車が全て売れることはまずありません。
もし売れたとしても、せいぜい全体の10%程で、90%以上は業者オークションでの転売となります。
これはディーラー、買取査定業者などすべての車を買取りしてくれる業者すべてに共通することです。
つまりお客様がどの買取査定業者に車を売ろうと、下取り・買取りした車をその業者が売却する値段は、オークション相場という絶対的な指標があります。
あなたの車の査定金額を決める計算式
先ほどお客様がどの買取査定業者に車を売ろうと、下取り・買取りした車をその業者が売却する値段は、オークション相場という絶対的な指標があるとお伝えしました。
基本的に中古車の査定金額には、全業者共通の次の公式があてはまることになります。
「あなた車の査定金額」=「業者オークションの相場」-「1台当たりの利益設定金額」
例えば今回のシュミレーションの大手買取査定業者で、業者オークションの相場が60万円の車が入庫したとします。
買取査定業者側が損をしない最低の金額で買取りするとすれば、次のような計算式になります。
「車の査定金額」= 60万円-10万円=50万円ということになるのです。
買取業者に車を売却したときの利益の決め方
買取査定業者はどのような車であっても同じような利益の得るのかといえば、実際はそういうわけではありません。
例えば8万円の車を先ほどの「あなた車の査定金額」=「業者オークションの相場」-「1台当たりの利益設定金額」の計算式にあてはめます。
「車の査定金額」=8万円-10万円ですので、マイナス2万円というおかしな計算結果が出てしまいます。
マイナス2万円ということは、買取査定業者が車を買取りするのではなく、お客様に2万円支払えという結果になるということです。
車業界では今の例のよう、業者オークション相場が10万円に満たない車は「ケタ車」(価値が1桁の車)といいます。
ケタ車を引取りするとなると、無駄な時間と経費がかかるため、ディーラーや買取査定業者では「引取りするためには処分費用がかかります」と言って、お客様が車の引取りを依頼してこないようにしています。
ケタ車であっても業者オークションでは数万円で取引されていますので、買取査定業者によっては買取りしてくれるところはあります。
①一般的に「廃車」とよばれる車には2つの買取先がある。
②海外で人気ある車は輸出業者に直接転売するほうがいい
③それ以外の古い廃車は解体業者に転売するほうがいい
④廃車買取の全国ネットワークが複数あり非常に利便性が高い
⑤廃車を間違えても一括査定サイトに登録してはいけない
⑥ディーラーや買取査定業者にもっていくのは論外
買取査定業者の利益は一律ではない
これまでに1台あたりの利益について大まかに計算をしてきましたが、それはあくまでも買取査定業者の平均的な利益の目標値ですので、実際このような計算で算出された利益から一律に買取査定金額を決めるわけではありません。
例えばオークション相場が30万円の車と、300万円の車があるとします。
30万円の車の利益が10万円だったとして、300万円の車も同じように10万円の利益では少なすぎます。
相場を読み間違えると、大損する可能性があります。
300万円の車であれば、30万円とか50万円の利益をつけることもあるでしょう。
逆にオークション相場が30万円の車に10万円の利益をつけていては、せっかく問い合わせをもらっても他の買取査定業者に取られて成約しないこともあります。
そのような場合は、利益を10万円以下に抑えてでも強引に取り行くことも当然あります。
いずれにしても、どの買取査定業者にも共通していることは「できる限り安く買取りしたい」ということです。
なぜなら売却先である業者オークションは、中古車販売店や買取査定業者のプロたちが集まる場所です。
そのプロたちを自分の力でコントロールして、車を高く売るなんてことをできるはずはありません。
だから買取査定業者は、いかに安く車を買取りするかが生き残るための術なのです。
安く買うために買取査定業者が常に努力している
車を査定することはディーラーや買取査定業者で研修を受けることで誰でもできるようになります。
ただ買取査定業者が利益をあげるためには「車」を査定することも大切ですが、それよりも大切なことは「お客様」そのものを見ることです。
買取査定業者が利益をあげるためにやっていることは次の2点です。
①問い合わせをもらったお客様からいかに安く車を買取りするか?
②いかに安く買取りさせてくれるお客様をたくさん店に呼び込むか?
買取査定業者の営業マンの仕事
優秀な営業マンは交渉がうまいため、車を安く買取りすることができます。
プロの営業マンは、次の4点のことを目的として交渉をしています。
①お客様の合い見積り状況を引き出し、現在他の買取査定業者の見積りにおける最高の金額を聞き出すまたは予想する
②お客様の相場感覚をうかがう。いくらぐらいで即決するのかを聞き出す。または予想する。
③上司やフランチャイズ本部という共通の敵をつくりぎりぎりまで金額をつり上げた感を演出する
④「あなたの車をほしいと言っている方がいるから」または「あなたのために上司や会社にたてついて、ぎりぎりまで金額をつり上げたのだから即決しなさい」と即決を迫る
これら4点は、ほとんどの買取査定業者にある典型的なマニュアルです。
あなたが最終的に買取査定業者に車を買取りしてもらうことを考えているのであれば、これら4点の交渉術に遭遇することは間違いありません。
買取査定業者と話しをする前に「元プロの買取業者が暴露!車の買取り査定額をアップさせる簡単な交渉術!」を一読されるといいでしょう。
ランチャイズ本部や買取査定業者の店主の仕事
安く買取りさせてくれるお客様とはどのようなお客様なのでしょうか。
買取査定業者が狙っているのは、次の2点にあてはまるお客様です。
①どこにも合い見積もりを取らないで、一番先に自分のところへきてくれるお客様
②ディーラーの下取りの次に来てくれるお客様
車の相場をまったく知らないお客様
お客様はただでさえ買取相場を知らないのに、他の買取査定業者がつけてくれる買取価格をも知ることなく自分のところにやってきたわけですから、あとはプロの営業がかかるだけで、お客様は車を買取りに出すことになるでしょう。
もちろん、その買取りの値段は極めて安い値段で買取りされることになります。
ディーラーの下取りの相場に少し不安を感じたお客様
ディーラーの下取り相場が適切なのかを知りたくて、買取査定業者を訪れます。
ディーラーがつける下取り金額は、例外もありますが車を買取りしてくれる手段のなかで最も安い値段がつきます。
そのようなディーラーの下取りの見積り金額を知っているお客様が買取査定業者にやってくることは買取査定業者からするととても喜ばしいことなのです。
なぜならディーラーの下取り金額を知ったお客様は、自分の車の価値=ディーラーの下取り金額という頭になっています。
つまりその下取り金額に、少し色をつける程度の買取査定金額を提示することで、お客様は買取査定業者に車を買取りしてもらおうと思うでしょう。
ここでのポイントは、ディーラーの下取り金額に「少し色をつける程度」の買取査定金額を提示するということです。
例えばお客様が、「ディーラーで20万円の下取り金額がついた」と言ってきた場合は、21~22万円の買取査定金額をつけるだけで、お客様は買取査定業者に車の買取りを依頼します。
ディーラーの下取り金額に沿った買取査定金額を提示することでお客様も「ディーラーの下取り金額でも20万円だったし、買取査定業者も21~22万円をつけるということは、それくらいの金額が限界なんだな…」と思わせることができます。
そうすることで、お客様から安い値段で車を買取りすることができるのです。
では買取査定業者はどのようにして、車を買取りさせてくれるお客様をよびこんでいるのでしょうか。
その答えはものすごく簡単で、とにかく有名になることです。
今ではかなりの数の買取査定業者があり、どこの買取査定業者も「高く買います」「うちが一番高く買取りをしています」という決まり文句をかかげていますので、車の買取りを考えているお客様からするとどこへ買取査定依頼を出せばいいのかが分からなくなっています。
そうなると最終的にお客様は、「記憶にある買取査定業者」を思い浮かべるのです。
テレビ、ラジオ、新聞、ネット広告などのマスメディアを駆使して、お客様の記憶に残る宣伝をし「有名」になることが最も重要です。
大手買取査定業者が有名になるためにしていること
では買取査定業者が有名になるために、どのようなことをしているのでしょうか。
その答えはいたってシンプルで、「お金をたくさんかけること」に尽きます。
交通量が多い、幹線道路沿いにある大手の買取査定業者の横を通ると、店舗内にお客様がいることは滅多にありません。
それに対して同じような店構えをしているディーラーは、平日であっても数組のお客様がいらっしゃいますが、買取査定業者にはお客様がいることはほとんどありません。
つまり大手の買取査定業者のように「車を買取りする」だけなら、広大な敷地は必要ありませんし、幹線道路沿いの広大な敷地となると家賃は100万円を超えてくるでしょう。
しかし買取査定業者が幹線道路沿いのような目立つところに広大な店舗を構えたり、看板を大きくして存在感を示していかないと思います。
有名なフランチャイズになればなるほどその加盟料が高くなりますが、それでも高い加盟料を払ってフランチャイズに加盟します。
テレビのCM、ラジオのCM、折り込みチラシ、ネット広告といったマスメディアを利用するにしても莫大な広告費がかかりますが、惜しみなく広告費を投入します。
そのほうが、大きな利益をもたらしてくれるお客様が増えるのです。
ちなみに何度もお伝えしていますが、買取査定業者が買取りした車を売却する先はどんな大手買取査定業者であっても、ほとんど業者オークションです。
売値はどんなに大きなフランチャイズ店であろうと、何千台出品したとしても、個人の中古車屋さんが1台出品するのと同じ金額で売られます。
ただ経費をかければかけるほど会社のお金はどんどんなくなっていき、1台の車の査定金額の限界はどんどん下がっていくわけです。
つまり宣伝すればするほど安くしか買えなくなるという、究極の矛盾が発生してしまうのです。
一括査定サイトやその他類似サービスはどうなのか?
最近ではネットで世の中にある買取査定業者を束ねた「一括査定サイト」が普及し始めました。
一括査定サイトが普及する前は、買取査定業者同士の買取価格が比較できなかったため、それぞれの買取査定業者が倒産することなく営業できているのでした。
では、一括査定サイトは理にかなったサービスなのでしょうか??
一括査定サイトを利用した場合、あなたの車の車両情報と個人情報を入力するだけで、一括査定サイトが複数の買取査定業者にその情報を流します。
買取査定業者は一括査定サイトに登録することで、一括査定サイトを利用したお客様の情報を受け取ることができます。
もちろん一括査定サイトはタダで買取査定業者にお客様の情報を流しているのではなく、情報料として買取査定業者1社あたり2,000~3,000円程度の手数料を徴収しているのです。
例えば、2,000円の情報料が20社に送られたとしましょう。
すると、一括査定サイト運営側は2,000円×20社=40,000円の情報料を受け取ることになります。
情報料の出どころは当たり前ですが、間接的にあなたの車の価値から捻出されるわけですから、一括査定サイトに登録した時点で、あなたは約4万円を支払っているのと同じことなのです。
買取査定業者は一括査定サイト運営側に情報料を支払っている以上、お客様にしつこく電話やメールをして、お客様の車を買取りして、利益を得ようとします。
その電話やメールでは、買取査定業者から車を査定するための現車確認を要求されます。
また買取査定業者は1度手に入れた個人情報はお金の無駄にならないように顧客リストとして登録し、仮にそのときに車を買取りできなくても記録データが残ることになります。
1度出してしまった個人情報はとり戻すことはできませんので、一括査定サイトを利用すると買取査定業者同士で競合させて足元を見られないというメリットはありますが、相応のデメリットがあることは重々承知しておく必要があります。
そもそも買取業界のしくみがわかっていれば、10社も20社も競合させることがどれほど無駄なことかは明らかですし、競わせる必要があるのは一括査定サイト運営側だけなのです。
なぜなら買取業者の買取価格の限界は、先ほどお伝えした「オークション相場」-「1台あたりの利益設定金額」でした。
1台あたりの利益設定金額の最低金額は、各店舗の諸経費で決まりますのでどの買取査定業者も似たような金額となります。
つまりはどの買取査定業者に売っても、限界の金額に大差はないわけです。
結果的に2~3社程度をきっちり競わせれば、限界の金額までつり上げることはできるのです。
それなりに手間をかける必要はありますが、一括査定に登録する覚悟があるなら、絶対にこの方法をおすすめします。
最近から出てきた一括査定サイトに似たサービス
最近では一括査定に似たサービスで、査定をサイト運営業者の指定のガソリンスタンドや、出張査定査定員に来てもらい、その客観的な査定情報を1000以上の登録業者が閲覧し、入札するというサービスがあります。
これだと一括査定サイトのように、何社にも査定にきてもらう必要がなく、しつこい電話営業が一切ないサービスに思えます。
しかしやはりデメリッがあって、業者側の成約手数料がめちゃくちゃ高いのです。
次のように車の値段に応じてどんどん高くなるしくみです。
①10万円で入札した車が成約すると32,500円の手数料
②50万円で入札した車が成約すると62,500円の手数料
③200万円で入札した車が成約すると100,000円の手数料
この金額は入札した業者が払うものですが、間接的にお客様の車の価値から支払われていることはいうまでもありません…。
車を売る人と車を買いたい人の間に入って、3~10万円手数料は本当に高いです。
ただそれぐらいの手数料が必要になった背景には、ここまでこのサービスを売り込むのに、かなりの広告を出しているため、莫大な資金がかかっています。
しかも査定にはガソリンスタンドを使ったり、出張査定員確保したりと、それらにもお金を払わないといけないわけですから、安く済むはずがありません。
「でも1000社も入札するんだから一括査定より高くなるんじゃないの?」という期待をもたれるかもしれませんが、それはまずありません。
入札形式でかつ入札料がかからないわけですから、どの業者もまぐれの一発狙いでしょう。
「この金額なら絶対損しない」という金額で入札しておいて、成約したらラッキーぐらいの感覚です。
そもそも入札する買取店側は入会金、月間固定費ゼロ、入札料等一切不要ですし、成約時以外にはお金が発生しません。
だから1000社も集まるわけです。
買取店側にすれば「とりあえず入っておこう」という感じで入っている人がほとんどでしょう。
入札する側もヒマではありませんので、このようなサイトで真剣に入札する会社はほとんどないです。
まぐれ一発、超大穴狙いの遊びで入札する会社がほとんどになります。
さらに他人の検査に頼る上、万が一車に不良箇所や修復歴があった場合のクレーム対応が疑問であり、手数料も高いなど、さまざまなリスクがあります。
そう考えると、やはり車を高く売りたいならまだ一括査定サイトのほうが見込みはありそうですね。
結局車はどこに買取りしてもらうべきか?
結局どこで車を買取りしてもらえばいいの?とお思いの方がいらっしゃると思いますので、結局は一括査定に買取査定をしてもらうほうが一番てっとり早いです。
私がオススメしている車一括査定サイトをランキングにしてまとめましたので、ご利用して下さい。
安心車.jp
買取査定業者はJADRIに登録されているので、安心してお住いの近くにある買取査定業者からの査定価格を比較できます。
また、買取業者とのトラブルが発生した場合にも、専用の相談窓口が設けられていますので早急に対応してもらえます。
ズバット
全国にある150社以上の車買取業者へ、一括で査定の依頼をすることができます。
1分の入力後、査定結果から高く売れる業者を選ぶだけ!利用者数100万人を突破した国内最大級の比較サイトです。
カービュー
利用実績が400万人を突破している日本最大級の車情報総合サイトです。
200社以上の提携企業があり、有名店から地域密着の専門店まで幅広く網羅しているため、きっとあなたの地元で優良店が見つかります。
45秒かんたん入力で愛車の査定がすぐに分かり、最大8社から見積もりをもらうこともできます。
Yahoo!JAPANと提携しているため、Yahoo!会員は情報が自動入力されるため、実質45秒かかりません。
買取りされた車はどこに行くのか?
ディーラーや買取査定業者が引取った車の90%は、業者オークションに出されます。
ではその車を買う人たちはどのような人なのか?
それを知れば、最短距離で限界の査定金額にたどりつくことができます。
オークションで車を仕入れる人達は、おもに次の3種類の人や業者です。
①日本国内で中古車を販売する人や中古車販売業者
②中古車の輸出業者
③車の解体業者
つまり、あなたの車をオークションで仕入れている人たちに直接あなたの車を売ってしまえば、無駄な手数料は発生しないのです。
ではこれらの人たちが、それぞれどんな車をほしがっているのでしょうか??
日本国内で中古車販売の業者が欲しがるのは「年式が新しい車」
中古車を販売する人ほしがる車は中古車として売れそうな車です。
中古車販売店が業者オークションで仕入れる車は、次の4つのような車です。
①年式が新しく、走行距離が短くて、修復歴も無く、機関はすべて正常な程度の良い中古車
②簡単な修理で、そのまま中古車として転売ができそうな車
③日本国内の中古車としての人気車種
④それぞれの中古車販売店が、お客様から注文された車
中古車を購入したことのある人はわかると思いますが、中古車で販売される車は販売店できちんと仕上げられて、見た目は非常にきれいな状態になっています。
ですので、中古車販売店も仕上げまでに手間や費用がかからないように、状態の良い車をオークションで狙うのです。
日本人は車に対する目が世界一厳しくて、新車を購入する人の中にはモデルチェンジのたびに車を買い替えるという人も多いです。
そのため見た目はきれいで状態もいいのに、モデルが古いというだけで価値がなくなるのが日本の中古車市場です。
では、比較的新しく状態の良い車は、中古車販売店に直接もっていけばいいのでしょうか??
中古車販売店といっても、ディーラー、大手買取査定業者、特定の車種を扱っている専門店があり、どこが高く買取りしてくれるか分かりません。
中古車販売店側が「この車は直接別のユーザーに売れる!」と判断すれば高い買取査定金額が期待できますが、やはり1社だけの買取査定見積りを鵜呑みにするのではなく、複数の買取査定業者に見積り依頼をして、買取金額を比較する必要はあります。
複数の買取査定業者に依頼したほうがお客様が大損することがなくなりますので、ここはネットの一括査定サイトを利用してみてもいいでしょう。
多少の手数料の無駄遣いになりますが、大損を避けるために一括査定や類似サービスを使うという事も、手段の一つかもしれません。
中古車輸出業者がほしがる車は「海外に需要がある車」
海外へ輸出する車は、あまり新しい車は好まれません。
なぜなら現在では日本の自動車メーカーは海外現地で新車を生産しているため、新しい車を輸出したところで売れないのです。
日本国内では中古車は年式が古くなるにつれて価値が下がりますが、海外では年式が古いものであるからというより、コンディションが良い車であると高く売ることができるのです。
中古車輸出業者が輸出しているということは、海外で求められている車種といえます。
中古車は次のような車を輸出しています。
①2000cc以下のトヨタ車全般
②古めのトヨタのワンボックス
③オフロード系の四駆
④ハイエースバン、その他マニュアルの商用系バン
⑤古い2トン以下の平ボディーのトラック、ダンプ
⑥マイクロバス
⑦古めのスポーツカー(MTのもの)
⑧左ハンドルの車
⑨2000ccクラスのベンツ、BMW(セダン)
⑩修復歴があるといわれた車
具体的には「車両輸出代行センターHP」(http://ucbj.osakazine.net/)をご参考になさってください。
解体業者は廃車や水没車などの動かない車を欲しがる
解体業者とは、車をスクラップしている業者のことで、解体業者が欲しがる車は廃車や水没車などの不動車です。
初年度登録から10年以上経過している車、積算走行距離が10万キロを超えている車で、海外でも需要がほとんどない車ということになります。
そのような車は必要なパーツが取り出され、残りは鉄として引き取られ再生されることになります。
もちろんまだ使うことができるパーツに関しては他に販売しますし、鉄資源に関しては金属を買取りしてくれる業者に買取りをしてもらいながら、解体業者は利益を得ているのです。
解体業者の中には無料で車を引取りしてくれるところもあれば、軽自動車なら5,000円程度、普通車なら10,000円以上で買取りしてくれる解体業者もあります。
つまり、ディーラーや大手買取査定業者を訪れて「無料で引き取ります」「処分料が必要です」という言葉に乗っかってはいけないのです。
自分もブローカーの真似をすることが出来る?
ディーラーや大手の買取査定業者は、下取りした車の90%近くを業者オークションに出品します。
業者オークションは手数料が1~2万円と非常に安く、適正な相場で売ることができるからです。
しかし、業者オークションに参加するためには自動車商(古物商)の資格をもっていることはもちろんのこと、業者オークションに登録できた業者しか参加できないため、業者オークションに参加できない買取査定業者は、店舗で販売する、中古車輸出業者に買取りしてもらうなど、工夫して車を売却しています。
ブローカーになるためには自動車商の資格が必要で、この資格をとるためには仕入れた車を3台以上とめることができるスペースが必要とされています。
必ずしも店舗が必要であるとは限りませんので、資格さえもっていればブローカーになれます。
仕入れた車の売り方は次の通りです。
①複数の買取査定業者に査定してもらう。大した金額がつかない場合や、修復歴があるといわれた車は中古車輸出業者の査定見積りを依頼する。
②中古車輸出業者でも需要がなく、ほとんど値段がつかない場合は解体業者に引取りを依頼する。
今の車がどのくらいで売れるのか知ることはできない?
自分の車の買取相場に関しては、買取査定業者に聞かないと分かりませんが、買取査定業者にとって「買取相場」はお客様を呼び寄せるための大切な情報なのです。
もし買取相場を聞くとなった場合は、必ず契約を迫られるでしょう。
そうでないと、他の買取査定業者にお客様をとられてしまい、利益が出なくなってしまいます。
買取査定業者はマスメディアを利用したり、一括査定サイトに登録したりするなど、お客様を得るためにものすごくお金をかけています。
概算ですが、買取査定業者が1件の問い合わせをもらうのに費やしている広告費用は平均で1万円前後もかかっています。
買取査定業者が一括査定サイトに登録している場合、1件のお客様を紹介してもらうのに2,000~3,000円とお伝えしましたが、買取査定業者からすると一括査定サイト側に支払う金額が安いけれど、質の悪い問い合わせがくるときがある(成約率は5~10%程)ので、負担が増える場合があるのです。
それだけお金をかけて問い合わせをもらっているのに、あなたの車の値段を簡単に教えてくれるわけないです。
最近では、一括査定サイトが「1分で簡単に車の値段がわかります」みたいなキャッチコピーで、簡単に個人情報を入力させようとしています。
一括査定サイトはただ集客をするだけの業者なので、当然車の値段など知るはずがありません。
つまり「今の車がどのくらいで売れるのか知りたい」という理由で、悪質な一括査定に情報を入力すると、大変な目にあってしまいます。
下取りの手続き関係で知っておくべきこととは?
これまでは車の下取りや買取りに関して、詳しくご紹介しました。
実際に下取りや買取りをしてもらうとなった場合、手続きに必要なものがありますし、税金などの手続きをする必要があります。
これらのことを知っているかどうかで、買取査定業者があなたを見る目が変わりますし、あまりに知らないことが多いと思われてしまうと足元をみられてしまうこともなきにしもあらずです。
①買取りの際に必要な書類・印鑑等について
買取りの際に必要なものは以下の1~8ですので、ご自身で準備しましょう。
①自動車検査証(車検証)
②リサイクル預託金証明書
③自賠責保険証明書
④自動車税の領収書
⑤印鑑登録証明書(3カ月以内に発行されたもの)
⑥住民票(車検証と印鑑証明の住所が異なる場合で、その間の引っ越しが一回の場合のみ必要)
⑦戸籍の附表または住民票の除票(車検証と印鑑証明の住所が異なる場合で、その間の引っ越しが二回以上の場合のみ必要)
⑧実印(印鑑登録されているもの)
以下の9~12は基本的に買取査定業者が準備してくれます。
⑨委任状(実印を押印します)
⑩譲渡証明書(実印を押印します)
⑪自動車税の過誤納金の還付請求権譲渡証(実印押印)
⑫自賠責保険承認請求書
②知っておくべき自動車税の還付金
自動車税は、4月1日の時点で車を所有している人全員が、5月31日までに支払わなければならない税金です。
年度ごとに課税させる税金で納付期限は5月31日ですが、5月31日までに納付した税金は4月1日から翌年3月31日分の自動車税を支払ったことになります。
下の表で、毎年自動車税をいくら支払っているかを確認しましょう。
| 排気量(cc) | ~1000 | 1000~1500 | 1500~2000 | 2000~2500 | 2500~3000 |
| 税額(円) | 29500 | 34500 | 39500 | 45000 | 51000 |
| 排気量(cc) | 3000~3500 | 3500~4000 | 4000~4500 | 4500~6000 | 6000~ |
| 税額 | 58000 | 66500 | 76500 | 88000 | 111000 |
もし年度の途中で車を廃車にした場合は、廃車した月の翌月から3月までの自動車税の還付を受けることができます。
例えば、2400ccの車を所有しているとすると支払っている自動車税は45,000円です。
その車を9月中に廃車したとすると、翌月である10月分から翌年3月の自動車税(6ヶ月分)が還付されますので、22,500円が還付金として戻ってきます。
③知っておくべき売却時の消費税
あなたの車が買取査定業者の査定で100万円だったとします。
当然、買取査定業者はあなたに100万円支払います。
それを買取査定業者は、あなたから買取りした車を店頭で100万円で売っていたとします。
あなたから見ると「あの業者、頭おかしいのか??」と思うでしょう。
あなたが買取査定業者から受け取った100万円はあなたから見ると、消費税とは無関係のただの100万円です。
しかし買取査定業者からすると、その金額は消費税込み100万円なのです。
もし先ほどのあなたの車を100万円で売れたとすると消費税が発生するので、買取査定業者は税込みで108万円を受け取るわけです。
つまり手元には8万円の利益が残るわけです。
「ん??それって消費税だから国に納税しないといけないのでは??」と思うかもしれません。
しかしこの場合実際に国や地方に支払う消費税は…、108万円-100万円=8万円のものを売ったと換算するため、8万円×0.08=6400円になるわけです。
結局100万円のものを100万円で売っても、買取査定業者はきっちり73600円の利益を得ることができているのです。
④知っておくべきリサイクル預託金
ほとんどの車は新車登録時(または平成17年1月1日以前に。新車登録の車は以降の車検時)に、その時点での所有者が支払っている、車両解体のためにかかる費用の一時預かり金のことです。
つまり、あなたの乗っている車も特別な事情がない限り、すでに支払い済みの一時預かり金のことであります。
預託金の金額は車種によってそれぞれ異なりますが、おおむね以下の金額になっています。
①軽自動車:3,000~9,000円程度
②普通自動車・トラック等:9,000~15,000円程度
③マイクロバス・中型バス等:20,000~30,000円程度
④大型バス:30,000~70,000円程度
あなたが車を乗りつぶして車を解体する場合に、その預託金を使用して解体業者に適切に処分してもらうための費用とお考えください。
現実的に世の中に出回る車両のうち、95%以上はすでに支払い済みとなっています。
もし車を解体するのではなく、買取りしてもらう場合はリサイクル預託金はあなたのもとへ戻ってきますので、忘れずに返金してもらいましょう。
さいごに
今回は車の下取り・買取りについて、かなり詳しく、車業界の裏側の話しまでご紹介しました。
これであなたが車の下取り・買取りを依頼する際は、ディーラーや買取査定業者に騙されることはありませんので、今回のお話しをご参考に車の下取り・買取りをご検討してみてはいかがでしょうか。